季節の便り

キャベツ

2006年5月28日

キャベツ

今年は、予報も含めて週末になると約束した様に雨模様になります。

丸川峠分岐過ぎ、尾根道に入る付近では、ハルゼミが賑やかに鳴き始めました。
セミの声と供に森も新緑から青葉に変わり、間もなく峠も青葉になる事でしょう。

5月の今頃になると思い出す事があり、胸がキュ~ンとなります。

それはまだ、里に自宅がなかった頃のことです。
食料、資材等は塩山の街に降りて購入しそれらのすべてを背負子に括りつけて荷揚げをしました。
出来るだけ軽くするため、どうしても自分用の物は後回しとなります。
その結果、どうしても野菜不足となります。
それはいろいろあるのですが、お泊まりの方のために必要だからです。
今と違い電話はなく、今日、泊まりがあるかもしれませんからです。
またいまでしたら、食品加工が発達し便利になりました。

私の山小屋はすべて、いまでも人の背中での荷揚げだけです。

大菩薩嶺北側の道がまだ少し凍っていた時に、60才位の奥様二人がコーヒーを飲んでいた時、一人の方が「山小屋で一番もらってうれしい物は何?」に「そうですね。やっぱり野菜かな」と答えました。
「野菜の中では」に「キャベツでしょうか。やっぱり」と答えました。
野菜不足になる理由、不足になるとどうなるかとか峠の自然についてなど、コーヒーを飲みながらおしゃべりをしました。

お帰りのとき、その一人の方が「いつ持って来るとは言えないけど今度来る時に私が作ったキャベツ持ってきてあげるね」と手を振ってお帰りになりました。

その月の下旬、「あ、あ、重かった。約束の私が作ったキャベツだよ。とても美味しいから食べて」と新聞紙に包まれたでっかいキャベツが二つテーブルに置かれました。
私はこの時の感情をどの様に表現したらいいのでしょうか!
視界がぼやけて、テーブルから転げ落ちる一つのキャベツを止める事が出来ませんでした。
大菩薩嶺を超して来たキャベツ二個の重さは4、5キロありました。

夕方、頂いたキャベツを千切りにし熱したゴマ油をかけ、醤油をかけて頂きました。口に入れると甘さ、香り、柔らかさ、それに愛情が体に行き渡り指の先、足の先まで届きました。
それは、ポパイがほうれん草を食べたときの様なシーンと同じです。
この時も視界がぼやけました。

会話で終わりが多い中で、実行していただいた事はいつまでも忘れる事は出来ません。
いつも、この時期になると思い出します。
お名前も「いいの、いいの。喜んでもらえれば私もうれしいから」といまでもお元気でいらっしやることお祈りしています。

いつの日かは書こうと思い今日になりましたが、、、、、もっと考えてから文にしようとしましたが、中々まとまりません。
いつの日かもっと考えて文にしたいと思います。

感情にまかせて書いた文をここまで読んで頂いた皆様に感謝いたします。
ありがとうございました。